発信の柱は、アカウントで繰り返し扱うテーマのことで、3つに絞って決めると投稿に迷いにくくなります。1つだと単調になり、5つ以上だと散らかるため、3つがちょうど扱いやすい数です。
柱があると、「今日は何を書こう」ではなく「今日はどの柱で書こう」という問いに変わります。選択肢が少ないほど、人は早く決められます。ここでは、柱の選び方から運用のしかたまでを説明します。
発信の柱が役に立つ場面
投稿を始めたばかりの頃は、思いついたことを順に書いていても進みます。ところが数週間たつと、ネタの偏りや、話題の散らばりが気になり始めます。
柱を決めておくと、アカウント全体で一貫した印象を保てます。読み手が数件の投稿を見たとき、「この人は、この3つのことについて話す人だ」と理解できると、フォローする理由が生まれます。
また、柱ごとに投稿を管理すると、偏りにも気づきやすくなります。「最近、お知らせばかりだ」「役立つ情報が減っている」といった状況を、数えて確認できます。
柱の候補を書き出す
まず、自分が発信できることを、思いつくだけ書き出します。仕事の知識、日々の工夫、失敗した経験、お客さんからの質問、道具や商品のこだわりなどです。20個ほど出すと、全体が見渡せます。
次に、書き出したものをグループに分けます。似たもの同士をまとめると、4〜6個のかたまりになるはずです。このかたまりが、柱の候補です。
候補のそれぞれに、次の3つの問いを当ててみます。「読み手にとって役立つか」「自分は継続して話せるか」「アカウントの目的につながるか」。3つともに答えられるものを、優先して残します。
3つに絞る基準
候補が4つ以上あるときは、絞る必要があります。絞る基準は、次のとおりです。
- 目的に直接つながる柱を、まず1つ入れる
- 読み手の悩みに答える柱を、1つ入れる
- 人柄や考え方が伝わる柱を、1つ入れる
この3つの役割を持たせると、バランスの取れた構成になります。たとえば、小さなパン屋のアカウントなら「パンの選び方と食べ方」「店の裏側と仕込み」「地元のできごと」といった形です。
役割が重なる場合は、片方を別の柱の中に含めてしまえば、数を減らせます。迷ったときは、投稿するのが楽しいと感じる柱を残してください。楽しめるテーマは、長く続きやすいからです。
柱に名前をつける
柱には、短い名前をつけておきます。「選び方」「裏側」「地元」のように、自分が見て分かる言葉で構いません。名前があると、カレンダーに入れるときや、ネタ帳を整理するときに便利です。
読み手に見せる必要はありませんが、ハッシュタグや、ストーリーズのハイライトの名前に使うと、読み手にも柱が伝わります。
柱ごとに投稿の割合を決める
3つの柱に、投稿の割合を割り振ります。目安として、目的に近い柱を4割、読み手の悩みに答える柱を4割、人柄が伝わる柱を2割としてみる方法があります。これは一例で、アカウントの目的によって変わります。
割合を決めると、1週間分の計画が立てやすくなります。週3本なら、役立つ情報を1〜2本、人柄の投稿を1本、目的に近い投稿を1本、といった配分です。
割合は固定せず、反応を見ながら変えてください。ある柱の反応が良ければ、その割合を少し増やします。ただし、一度に大きく変えると読み手が戸惑うため、少しずつ動かすのがよい方法です。
柱を運用する中での見直し
柱は、決めたあとも定期的に見直します。見直す時期の目安は、2〜3か月に一度です。その間に、実際に書いた投稿が、どの柱に多く偏っていたかを数えます。
反応が良かった投稿の傾向も確認します。柱とは別の軸で人気が出ている話題があれば、それが新しい柱の候補かもしれません。
もうひとつ見直すべきは、自分が書いていて苦痛になっている柱です。苦痛な柱を無理に続けると、投稿の質が落ち、アカウント全体にも影響します。入れ替えや統合を検討してください。
柱を増やすタイミング
アカウントが育ってきて、書ける話題が広がったときは、柱を4つに増やしても構いません。ただし、増やす前に、既存の3つの柱が十分に運用できているかを確認してください。
柱の具体例
業種別の例を挙げます。美容室なら「髪のお手入れの基本」「施術の裏側とこだわり」「お客さんからよく聞かれる悩み」の3つが考えられます。学習塾なら「勉強法の工夫」「保護者向けの声かけ」「教室の日常」でも成り立ちます。
個人で仕事を受ける人なら「仕事の進め方の工夫」「依頼を受ける時に確認していること」「日々の学び」のような柱が使えます。どの例も、役立つ情報、判断の理由、人柄が混ざる構成になっています。
柱とハッシュタグの関係
柱ごとにハッシュタグを決めておくと、投稿を探しやすくなります。読み手が気に入った柱の投稿だけを、まとめて見返せるためです。
ただし、独自のタグを作っても、最初は誰も検索しません。タグは読み手のためというより、自分の整理のために使うと割り切るのが現実的です。
一つの投稿に複数の柱を入れない
一つの投稿で複数の柱を同時に扱うと、何の話か分かりにくくなります。1つの投稿は1つの柱に属させて、伝えたいことを一つに絞りましょう。迷ったら、その投稿で読み手に持ち帰ってほしいことを一文で言い、それに最も近い柱へ入れてください。
柱が決まらないときの考え方
どうしても柱が決まらない場合は、過去に自分が書いた投稿や、人に話した内容を振り返ってみてください。無意識のうちに何度も話しているテーマが、自分に合った柱である可能性が高いためです。
また、友人や同僚に「私といえば何の話をする人?」と聞いてみる方法もあります。自分では気づかなかった強みが、他人の目から見えることがあります。聞いた答えをそのまま採用する必要はありませんが、候補を広げる材料になります。
柱は仮置きで始めて構いません。2〜3か月運用してから、実際の投稿に合わせて直せばよいと考えると、決める時の気持ちが軽くなります。
柱を読み手に伝える方法
プロフィール文の中に、柱を二つか三つの言葉で入れておくと、初めて訪れた人にも何を発信しているかが伝わります。固定した投稿で柱ごとの代表的な投稿を紹介する方法もあります。読み手が迷わず目的の投稿にたどり着けるよう、入り口を整えておいてください。
次にやること
柱を決める作業は、1時間ほどで終えられます。
- 発信できることを20個書き出す
- 似たものをまとめて、4〜6個のかたまりにする
- 目的、読み手の悩み、人柄の3つの役割で、3つに絞る
- 柱に短い名前をつける
- 週の投稿を柱に割り振って、カレンダーに入れる
決めた柱は、メモに残しておいて、投稿の前に見返してください。2〜3か月後に、柱を見直す日付をカレンダーに入れておくと、見直しを忘れません。




